フツウノファンタジー
一葉モカ
人の形をせし、意思を持つ“伝説の魔道書”リブラ、かく語れり。『光の女神は魔に囚われ、世界は闇と混沌に包まれる』『諸悪の根源たるは、魔族の頂点に君臨せし“魔王”』『魔王によって、世の人々の心には深く絶望が刻み込まれるであろう』『しかし、世界に存在するは闇ばかりにあらず』『深き眠りに落とされながらも、光の女神は一人の少女に加護を与える』『女神に選ばれし勇者、その名はヒスイ』『同じく女神によって選ばれし仲間とともに、勇者は魔王を討ち滅ぼし、世界に光をもたらすであろう』“伝説の魔道書”リブラより予言を告げられし、一人の男はこう口にした。「余が勇者に敗れるだと?そんなことがあってたまるか!」男の名はジェイド。魔族の頂点に君臨する魔王であった。自らにくだされた死の予言を覆すため、彼は勇者の仲間としてともに旅をすることになる。旅に出たばかりの勇者はまだ弱く、彼の望みは簡単に叶うはずだったのだが……。「棺桶が空を飛んだ!?」「勝手にタンスとか調べるなっ!!」「レベルアップって何だよ!?」彼の行く手を阻むたくさんの苦難と障害。果たして、ジェイドの願いは実を結ぶのだろうか。ごくフツウに勇者が、ごくフツウに魔王を倒し、ごくフツウにハッピーエンドを迎える物語。“フツウノファンタジー”――ここに、フツウに開幕。 |
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