精神性愛パラフィリア
緑木邑
主人公の本虫草太は175cmと長身で攻撃的な性格をしているにも関わらず他人の前では弱腰で臆病者。図書委員の瀬名依津美を眺めるため、毎日図書室に入り浸るが本は暇つぶしに読む程度の、軽くストーカーのような行動を行う。とある日、今日も草太は依津美を眺めていると、目の前の机に大量の本が投げ出される。図書委員のヒロイン、瀬名依津美が書庫の整理をしていた。書庫に入るたびに大量の本を抱きかかえてくる瀬名は、図書室の机を次々に占領していく。本に被った埃で咽せた草太は、目の前に積み重ねられた本の一冊に目をとめた。その本は、頭の下に敷いて眠ると他者の心に忍び込めるという不思議な本だった。本を家に持ち帰った主人公はその夜、半信半疑に頭の下に本を敷いて床につく。ふと気がつくと、眠っていたはずなのに迷路の様な場所にいることに気がついた。この迷路は、草太が恋い焦がれていた瀬名依津美の心の中だった。リアルな夢と解釈した草太はそうとも知らず、迷路を進んでいくと瀬名によく似た全裸の人物と遭遇する。それは彼女の人格?性欲の心?だった。夢の中ならば何しても良いだろうと、草太は全裸の性欲の心を犯す。しかし2発、3発とHを重ね、犯すはずだったのに犯されていると気がついた頃には、草太はヘトヘトになっており、なんとか逃げ出した。――次の日。図書室で瀬名を眺めながら、昨晩に見た夢がリアルだったことに思い耽る。すると書庫から僅かに艶めかしい声が聞こえることに気づく。そっと覗いてみると、瀬名が書庫で自慰行為をしていた。彼女の自慰中のひとりごとを聞くと、瀬名は突然性欲が我慢できなくなったらしい。精神の中でHをした瀬名は現実でも性欲が強くなっていた。その事に気がついた草太は、心の中に入れるという本の力が本物であると認識し、瀬名に伝えられない恋心と思春期の欲望を満たすため、再び瀬名の心に侵入するのだった。 |
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