コンプリーツセットVI
【ツマ×ヘヴン】主人公・三国雄二は浪人生。それ自体は自分の不徳の致すところだし、反省してより一層勉学にいそしむ気満々だった………のだが。「家を売るって、ど、どういうことさ?!」「売るんじゃないよ、もう売ったの。引渡しは来週だから、あんたも荷物をまとめなさいよ」両親の海外移住で、いきなり家を放り出されることになった主人公。しかし、救いの手は差し伸べられる。「お前、今日から家で暮らすことになったから」そう、笑顔で、しかも自身たっぷりに言い放ったのは、主人公の兄・雄一だった。兄は異常に思うほど弟である自分を溺愛していた。引くくらいに。それに、兄は結婚したばかりで、新居で新婚生活を満喫していたはずだった。新婚家庭に乱入など、いくらなんでも空気が読めてなさ過ぎだろう。とは言え他に道もなく、兄の新婚家庭に居候することとなった雄二。なるべく邪魔しないように………と思っても、あけすけに振舞う兄嫁の精神攻撃(?)は予想以上。っていうか、もしかして誘ってる?さらに、隣家の主婦・勝山由香里も無駄なお色気を振りまくいかにも肉食な女性。しかも、日を置かずにやってくる御用聞きのおっさんたちは一体何?そして、地主だか何だか知らないけど、我が物顔でやってくるジジイは何?戸惑うばかりの新生活、不意に華やいだ身の回りで起こる数々の色っぽい騒動。兄嫁、隣の奥さん、そして………雄二の新生活は、正に波乱万丈?!これって、天国?それとも………?【アネ×ヘヴン】智頭昭文の朝は姉の唇から始まる。目を覚ますと大抵それが自分の唇数センチのところにあって、それをすんでの所でかわすのが起床して最初の運動となることが日課となっていた。枕を盾にする昭文を見てニッコリと微笑みながら舌打ちをする2歳年上の姉、朱音。整った顔立ちと、綺麗な黒髪をサラリと流すその姿は和風美人という言葉そのものと言った風情で、一見すると楚々とした振る舞いからご近所でも評判の美人なのだが、彼氏はいない。なぜなら………朱音は弟を溺愛しているのだ。「もう、出てってよ」と姉の背中を押し、強引に部屋から排除した昭文が大きな溜息をつく…。そして、丁度同じ頃……。布団から飛び出してきた足に首を絡め取られ、もがく男子が一人…粟倉浩次。母に姉の起床を命じられ、姉のベットの横で声をかけた結果がコレだ。意味不明に寝ぼけた声を上げながら、浩次の首を太ももで締め上げる姉の美弥子。消えゆく意識をかろうじて繋ぎ止めた浩次が、ようやく起床し背伸びをする姉を見上げ呆れる。それもそのはず、美弥子はパジャマを着ておらず、小ぶりだが形の良い乳房が朝の陽光の中できらりと輝いていた。目が合った姉に「エロガキ!」と不条理に一蹴され、犬のように姉の部屋から逃げ出す浩次。……しかしその股間はと言えば、大きく膨らんでいたのだった。………そんな対照的な姉弟。形は違えど、それはよくある仲のいい姉弟の姿とも言えた、しかし……。「めんどくさいだけだと思うけどねぇ、男兄弟って。色々面倒みるのも大変じゃん。」「もう、朝から晩まで………こっちの身体が持たないよ。」共通の友人、自身二人の弟を持つ大原麻耶が発した言葉によって状況が変化する。「えっと、身体が持たないって…どうゆうこと…?」「あのさ、それって……もしかして……」「そ、そんなの………決まってるじゃん?男と女だよ?」その時、麻耶は気が付くべきだった。冗談のつもりで放ったその言葉に、自身の両側に座る姉二人が深刻な表情で考え込んでいたことを…。 |
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