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ある日突然リストラにあった中年男『船越澄也』は、転職サイトを探すうちに自己啓発セミナーのサイトを見つける。普段ならスルーするようなセミナーの売り文句だったが、傷心の澄也は思わずそれに参加してしまう。けれど思いの外ハマってしまった彼は、あれよという間に常連となっていった。そんなある日、熱心な態度が評価されたのか、主催者側から特別セミナーへと誘われる。無料ということもあり、抵抗なく参加する澄也だったが、そこが運命の分かれ目だった。その特別セミナーで行われていたのは、催眠で女性を操り犯すという光景だった。そして知らされる真実。このセミナーの主催者達は、催眠によって特定の女性を催眠娼婦へと変えて売買することを目的とした組織だったのだ。秘密の共有と引換に、催眠調教師となるか、全てを忘れ再び絶望の日々に戻るかの選択を迫られる澄也。だが澄也はその異様な場において、恐ろしさとともに心のなかから生じる期待感に気づいていた。「この業(わざ)を使って、俺も新しい人生を始めたい……!」そんな欲求もあり、葛藤の末、彼は組織の一員となることを決意する。数ヶ月後、一連の催眠技術をマスターした澄也は、かつて自分をリストラに追い込んだ上司達の娘が通う学園にて、『那輿章泰(なごしふみやす)』と名乗り、学園カウンセラーとして着任していた。組織より課された最終試験の内容は、対象となった女を、自分自身の力で商品(=催眠娼婦)に作り上げ、納品すること。組織の計らいで、自分と因縁のある元上司の娘達を堕とすこととなった澄也。失敗できない試験への不安感。そして、その子たちに罪はないと知りながらも湧き上がる復讐心。複雑な思いを抱えたまま、澄也の最終試験が始まるのだった。
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