|
『ただ一度の過ちが令嬢の身を焦がし、獣欲に蝕まれた肉体は淫らに花開く――』名家の令嬢として生まれた「周防院櫻子」は、家族に愛され、友人に愛され、令嬢と呼ばれるに相応しい気品と気高き心を持つ、美しい女性だった。「櫻子」には、輝かしい未来が約束されているはずだった。しかし、時代がそれを許さない。時代の移り変わりに順応出来なかった「実家」が「没落」の危機に陥ってしまう。狙いすましたように「櫻子」に囁きかける声。それは、彼女の家への融資を盾にした提案――「商品としてオークションに出る事」であった。悪魔の如き囁きに「家族」や「未来」を憂いた「櫻子」は呑まれていく。かくして、その純真無垢な肢体は、「オークション」で金と淫欲が渦巻く男の群れへと捧げられ、衆人環視の中で純潔を散らすのだった。だがしかし、それは更なる淫獄へと堕とされる始まりにしか過ぎなかった。たった一度のその過ちが「妊娠」という結果を招いてしまったのだ。打ちひしがれる「櫻子」に「オークション主催者」が再び囁きかける。「妊娠の事実を隠匿したければ、オークションへの参加を継続し、更なる貢献によって条件を満たせ」と。こうして、選ばれた者達だけが集う閉鎖空間の中で「櫻子」の美しく清らかな肢体は変態嗜好家の「欲望の糧」となり、徹底的に蹂躙されていく。そんな中、「櫻子」に「変化」が訪れる。卵から雛が孵るように。蛹から蝶が羽化するように。それは彼女の内に流れる、淫蕩な血の目覚めだった。「胎内に宿る命」への危機感や焦燥感を抱きながらも、自ら変態的な行為へと深く深く耽溺していく「櫻子」。そんな彼女に「胎内に宿る命」への決断の時が迫る……。「櫻子」の絶望と苦悩と歓喜の声が谺(こだま)する中、少女が選びとる結末、その未来とは?
|