縛・淫女の館
カリート・クール
旅館「由良屋」。風景のどかな田舎町にあり、組紐細工の土産物を旅館の特産物として客寄せをしている小さな宿。その宿は、女将である繭美とその娘、綾の二人で経営されていた。しかし繭美には人には言えぬ性癖があった。それは……緊縛癖。亡き夫に教え込まれたその快楽は今も彼女を虜にし、売り物の組紐細工を見るたびに体を疼かせている。そしてその娘、綾。彼女は幼い頃に両親のセックスの声を聞いて以来、極端な性的潔癖症となる。しかし、年頃になり疼く体と、その性的潔癖症の反動、そして母からの遺伝であるのか……その体を自らで縛り上げる「自縛」に目覚めてしまっていた。そんな二人の旅館に、今、不穏な話が持ち上がっていた。高速道路を建設するために、用地買収が行われるという。この旅館を目的に、土地を転売を目論むブローカーがやって来る…。 |
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