アネイロ
朱姫桜花
「なんだか懐かしい――」若い身空に何処か不釣合いな台詞を零すのは目の前の学園に入学が決まった主人公、日比野航。両親の海外転勤に付き添う形で日本を離れて早数年。その期間、一度も帰国していなかっただけに、その思いもひとしおで。だけれど、本命は別にある。それは、仲の良かった姉・日比野薫子と姉同然の幼馴染み・樟木瑛菜との再会――海外転勤が決まった時には薫子と瑛菜はすでに全寮制の学園に進学ずみ。まだ保護者が必要な航は両親に着いて行く事になり、結果離れ離れになったけど。「今日ようやく、会えるんだ」年上だけど何処か危なっかしい、世話を焼きたくなる薫子と、負けん気の強い意地っ張りな、姉よりも姉らしい瑛菜。「航ちゃん!」「航!」再会を喜び合い、感動を分かち合い、これから賑やかな日常が始まる……はずだった?しかしいざ学園が始まってみると2人は『科学に愛されし聖乙女(サイエンティスト・オブ・ジャンヌダルク)』(科学部:薫子)、『万物を見知る碧眼の魔女(ウィッチ・オブ・エメラルドアイ)』(占星術部:瑛菜)などと恥ずかしさ全開の二つ名で一目おかれる有名(迷)人(トラブルメーカー)!しかも今まで会えなかった憂さを晴らすように姉2人のスキンシップも加われば学園中の注目が航に注がれない訳がない!!いきなり賑やか過ぎる学園生活に眩暈を覚えている中に更なる事件。突如現れた生徒会長・鷲見さやかより厳しい宣告――「今期末に行われる生徒総会までに何かしらの結果を出せなければ廃部です!」薫子と瑛菜の科学部と占星術部は、色んな騒動を起こして有名ではあったけれど誰もに認められる結果は出せていなかった……という事らしい。それじゃあ「一緒に頑張ろうね!」と2人に可愛くお願いされるのも仕方なし?果たして廃部は免れるのか、ついでに航の運命は何処へ向っていくのだろうか―― |
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