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【初音島編】一年中、桜の花が咲き乱れていたのも今は昔の話。初音島は、四季折々の表情を見せる自然豊かな島として広く知られていた。初音島にある風見学園。そこに通う付属二年生の芳乃清隆は、先輩で学園のアイドルと呼ばれている森園立夏や妹みたいな幼なじみの葛木姫乃、ハーフでいとこな芳乃シャルルなど5人の女の子たちと一緒に新聞部として活動している。とは言え、昔のように不思議なことが溢れているわけでもない今の初音島では、特に記事にするような事件が起こるわけでもなく、部室でだらだら過ごす毎日を送っていた。――そんな冬のある日。冬だと言うのに、初音島の桜が一斉にその花を咲かせ始めたのだ。さらに、驚く新聞部のメンバーたちの携帯に一斉にメールが届いた。差出人は不明。その中身は、『桜が咲いたら、約束のあの場所で――』後半は文字化けしてしまって読めない。けど、どこか意味深なその文章。そして、送信日時はなんと1951年になっていた。「これは過去から届いたメールなのよ!まさに今の状況を示していると思わない?約束のあの場所がどこなのか?そこでなにが行われるのか?そもそも、どうして桜が急に咲きだしたのか?我々新聞部でこの謎を解き明かすわよ!」新聞部部長の森園立夏は力強くそう宣言するのだった。謎の調査を進める清隆たち。招かれるようにして訪れた、枯れない桜の樹。その側に、ひとりの女性がたたずんでいた。初めて会うはずなのに、でもとてもとても懐かしい。『それでは聴いていただきましょうか』謎の女性から語られる昔話。それは100年以上も昔のロンドンで起った、彼女と清隆たちとの出会いと別れのお話。『まるでダ・カーポのように繰り返す、夢のような夢の、はじまりの物語を』【風見鶏編】そして謎の女性から語られる、もう一つの物語――日本でも有数の魔法使いの家系である葛木家の長男、清隆は妹の姫乃と共に、イギリスはロンドンにある王立ロンドン魔法学校、通称『風見鶏』に留学するため海を渡る。そんな清隆と姫乃を異国の地で待っていたのは、深い霧に包まれたロンドンの街並みと、その地下に広がる巨大な学園都市だった。地底湖に、まるで三日月のような形で並び浮かぶ、3つの島からなる学園都市。そこには最高の環境で魔法を学ぼうと、世界中から魔法使いの卵たちが集まって居た。そこでたくさんの仲間たちとの出会い、清隆は新しい環境に戸惑いつつも、楽しい学園生活を送っていく。それはまるでダ・カーポのように繰り返す、ありふれた、そして夢のような日々……。清隆はある日、リッカと共にロンドンの街を歩いていた。巨大な時計塔の下で、ふたりはひとりの少女と出会う。小さな桜の枝を手に持ったその少女は、記憶の大半を失っていた。検査の結果魔力持ちであることが分かり、しばらく風見鶏で預かることになる。――清隆には、父親から託された願いがあった。それを叶えるには、風見鶏の生徒会役員になる必要がある。そのために清隆は、生徒会選挙に立候補する。そんななか、女王からの依頼が舞い込んでくる。魔法の力を使い、人々を傷つける者たちがいる――事件を未然に防ぐため、清隆たちは霧深いロンドンの街を駆けめぐるのだった。記憶喪失の謎の少女と、一年中晴れない霧。そして彼女の持っていた魔法の桜の一枝。清隆たちの運命の歯車は回り始める。それはまるでダ・カーポのように繰り返す、出会いと別れのお話。
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