クレオパトラがやってきた!?
曠日弥久
文月史矢は読書だけが趣味の平凡なサラリーマンだ。今日も職場から住み慣れた八畳一間のワンルームマンションに戻りながら、最近ハマっていた歴史小説の続きに思いを馳せていた。しかし史矢はドアを開けるなり目を疑ってしまった。何故ならばペットの一匹もいないはずの部屋に、見知らぬ人影があったからだ。染みひとつない美しい褐色の肌、グラビアアイドルも霞むような見事な肢体、そしてエメラルド色の瞳となれば、驚くなと言う方が無理というもの。謎の美女は史矢を睨み付けながら、これまた謎の言語で捲し立てていたが、すぐにあることに気付いたのか、懐から取り出した綺麗な小瓶の中身を飲み干すとなんと流暢な日本語を口にし始めたのだ。彼女に問われるままに、ここが日本であること、西暦2016年であることを告げる史矢。すると彼女は見事転生が成功したらしいと喜び始める。一体なんのことかと尋ねると、謎の美女は自分が『クレオパトラ7世』だと名乗り、史矢が最初の召使いだと告げる。まさかと困惑する史矢だったが、伝説に違わない美貌に股間が熱くなるのだった……。 |
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