ワタシノオモイ〜愛情と淫艶と〜
「……なに?」「ううん、なんでもない」テーブルを挟んで目の前に座っている男の子が、私の視線に気付いて顔を上げる。芳貴くん――クラスメイトで、幼い頃からの友達。そして、今は私の彼氏。(はぁ〜、彼氏かぁ)ずっと好きだったから、向こうも同じ気持ちだったと知ったときは凄く嬉しかった。彼氏彼女の関係になってからというもの、毎日が楽しくて幸せ。そんなある日――玄関のたたきには、お母さんの靴が脱ぎ捨てた感じで置いてあった。それと見慣れない男物のくつが2つ……。リビングの方から聞こえてくるお母さんの喘ぎ声。「あん、茉希。お帰りなさい」「……ただいま」リビングに行くと、お母さんがいた。予想通り、知らない男の人達とセックスしている。「お、これが娘さんか。さすが香奈惠の子だけあって可愛いじゃないか」「驚かせてごめんね〜、お邪魔してるよ」「……いえ」無視するのもあれだから最低限の返事だけはして、すぐさま廊下へと戻った。嫌なもの見ちゃった。お母さんも、いい加減にしてくれればいいのに。たまにああやって男を連れて帰ってくることがあるから困る。ほんと、男遊びが激しいんだから。家に連れ帰ってセックスするのはやめてくれたらいいのに。私がいようともお構いなしにするんだから。(もうっ、お母さんのバカ)もう慣れたとはいえ、辛いことに変わりはなかった。それになんというか……この声を聞いていると最近変な気分になってきちゃって、落ち着かないんだよね……。お母さんのあの声聞いていると、こっちまで変な気分になってきちゃうし……。もしかして私……気になっちゃってる!?どうしよう……気になって……なんで……どうして……どうしてこんなに気になっちゃうの!? |
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