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俺を殺したヤツを、絶対ぇに探し出す!幼なじみで同級生の華恋を目の前で連れ去られ、俺はその場で殺された。口惜しくて、ムカついて、地縛霊になってでも絶対ぇに犯人を見つけてやる‥‥そんな風に思いながら死んでいたら、渡りに船、掃き溜めに鶴。魔界の王女を名乗る月奈(アイツ)が現れた。「私の下僕(しもべ)になり、私の目的に協力するなら助けてやろう。これは契約だ」イチもニもなくうなずいた俺は、アイツの言う通り復活した。不死(ふし)人(びと)として――死ぬようなメにあっても死なない。いや、死ねない。うらやむそこのキミ、これがどういうことが分かるかね。そんなにイイもんじゃないんだぜ?なにせ感覚は人並みだ。ナイフで刺されれば刺された痛みが、金属バットで撲殺されれば殴られた痛みが、毒殺されようもんなら長時間嘔吐と格闘せねばならない。痛くて苦しくて、普通のヤツならマジで死ぬようなメにあっても、俺は死ねない。どうせなら、痛みを感じない屈強な肉体が欲しかったぜ‥‥俺が不死身なもんだから、アイツの人使いの荒いこと、荒いこと。下で事件が起きれば、「ちょっとそこから飛び降りて、様子を見てきなさい」と、15階の窓を指さすのは日常的光景だ。俺のことは、もはや人とすら見ていないだろう。実際、もう人じゃないがね。魔界の辺境で発掘した破魔の太刀を、研ぎ育てるのが目的というから、頭のネジが十本は飛んだ王女様の道楽ってところだが、アイツの頭脳はありえないくらい明晰で、訳の分からない難事件が次々と解決されていく。そして、犯人の中に眠る邪悪なる想念魔凶(まきょう)を、破魔の太刀で斬り、あろうことかそれを太刀が喰らうのだ!常軌を逸した連中が、非日常的な怪事件に立ち向かう、不死人ディテクティブADV、ここに開幕!
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