飼育×彼女
小宮山
他人に興味がなく、引きこもりぎみの生活を送る主人公。そんな彼が、近所のコンビニで働く少女「大湊奈津子」に恋をしたことから、この奇妙な物語は幕を開ける。彼女ともっと親しくなりたいと思いつつも、ただ見守ることだけで満足していた主人公……だが、そんな日々は突然に終わりを告げる。奈津子に彼氏ができたのだ!それだけならまだしも、調べてみるとその男はかなりの遊び人。その上彼女の気持ちをよそに、ガードの固い奈津子に飽きた男は、友人に好きにさせようとしていることが分かったのだ。もはや猶予はない――ある夜、バイト帰りの奈津子を待ち伏せした主人公は、男の本性を暴露し、別れるように必死に説得する。が、奈津子はただ怖がり気味悪がるだけで、耳を貸そうとしない。テンパるあまり、頭が真っ白になる主人公……ハッと我に返ると、主人公は自分の部屋にいた。そして目の前には、失神した奈津子が倒れている……無我夢中のまま、無理矢理さらってきてしまったのだ。俺はなんてことを……と困惑する主人公。そうするうち目を覚ました奈津子は、騒ぎ出し逃げ出そうとする。カッとなった主人公は、“静かにしろ!”と一喝し、ヒモやテープを使って彼女を黙らせる。ようやく大人しくなった奈津子を前に、自問自答する主人公……お、俺は一体何をしているんだ……でも、このまま帰したらあの男に……そうだ……あんな男に汚されるくらいだったら、俺が……!そう、この時の俺は、常軌を逸していたんだ……こうして、二人きりの奇妙な“飼育生活”が始まったのだった―― |
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